飲食店が集客のため、ホームページの開設を検討するときに、注意しなければならないポイントが「ホームページは作っただけでは見られない」ということです。
ホームページを見てもらうためには、広報活動が必要になります。
広報のためにホームページを開設するのに、そのホームページを知ってもらうために広報活動が必要となると、矛盾しているのではないかと考える人もいるでしょう。
そこで、広報活動と一緒に考えたいことが、SEO対策の導入です。
SEO対策を行うことで、GoogleやYahoo!といった検索エンジンの検索結果に表示されるようになり、アクセス数が増えてくれば、集客効果を期待できるようになります。
しかし、中には「SEO対策に本当に効果はあるのか」と疑問に思う人もいるでしょう。
そこで今回は、SEO対策の必要性と導入時の注意点について解説していきます。
飲食店の集客にSEO導入は効果があるのか

そもそも全国展開していない飲食店では、特定の地域の人を対象に集客を考えることが一般的でしょう。
例えば、店舗のある周辺地域の住人や、勤め先、学校がある人のように、その地域が生活圏内である人たちへの集客です。
営業エリアが限定的だと、インターネット上で必要以上に検索されなくてもよいため、SEO対策は不要だと思うのも不思議ではありません。
しかし、特定のエリアに対する集客であっても、飲食店にとってSEO対策は重要です。
その理由について解説していきます。
WEB集客におけるローカルSEOの重要性
日頃目にするお店であっても、そのドアをくぐるのは意外とハードルが高いものです。
存在は知っているけど、どんなお店か知らない。そんなとき、消費者はインターネット上で検索するかもしれません。
しかし、ホームページが開設されていたとしても、検索結果に店舗情報が表示されなければ、消費者は来店する意欲を失ってしまうかもしれません。
そんなことにならないためにも、WEB集客にはSEO対策が欠かせないのです。
SEOはGoogleやYahoo!で特定の語彙(キーワード)で検索されたときに、1ページ目に表示されることを目的として対策を施します。
お店の名前で検索されるのは、すでにお店を知っている人がほとんどのため、新規顧客を増やしたいと考えているのであれば、お店以外のキーワードで検索されることが重要です。
例えば新宿にあるラーメン屋であれば、「新宿 ラーメン屋」や、「新宿 味噌ラーメン」などの検索ワードで検索した場合、GoogleやYahoo!の検索結果で自店が表示されれば、来店の可能性が高くなります。
このように、地域名で検索される仕組みを作ることを、ローカルSEOと言います。
最寄りのお店を検索する人は多いため、ローカルSEO対策の有無によって、集客に差が出てくる可能性は大きいでしょう。
グルメサイトとの差別化
ローカルSEO対策をしなくても、グルメサイトに登録をすれば、地域名が入力されたときに、自分のお店が検索される確率が高くなります。
グルメサイトは食べログ、ぐるなび、Retty、ホットペッパーなどがありますが、口コミを見たり、クーポンを利用できたりと多くの人が利用しています。
一方の、SEO対策は初期投資が掛かり、専門知識やノウハウも必要ですから導入のハードルが高く、そのためグルメサイトの方が利用しやすいでしょう。
しかし、グルメサイトでも無料で利用する場合は掲載できる情報に制限があったり、有料プランで利用する場合は1万~5万円のランニングコストが掛かったり、新着情報を登録するにもさらに料金が発生したりと、実はなにかと制約が多いのです。
その点、SEO対策は自店ホームページに対策をすることになりますので、情報の掲載は思いのまま、グルメサイトに掛かる費用を消費者への割引に利用できるなどの利点があります。
モバイルSEOでスマホユーザーを取り込む
以前はパソコンの検索結果をもとに、検索順位の優越を決めていたのですが、モバイル端末の普及により、2016年のGoogleではモバイルファーストインデックス(MFI)を導入し、それ以降、スマホ端末での検索結果も反映していました。
そして、スマホの保有率上昇に合わせて2020年9月には、完全にスマホを中心としたモバイル端末の検索結果をもとに順位を決めるようになったのです。
つまり、モバイル端末で検索したときに上位表示されれば、多くの人にホームページを見てもらえるわけです。
なお、のモバイル端末では操作性が重要で、パソコンで見たときの綺麗なデザインというのはほぼ意味がなく、デザインを意識するよりも、スマホでの使い勝手をよくした方が、より多くのスマホユーザーを取り込めるようなるでしょう。
SEO導入時の注意点

SEOの導入をするにあたり、いくつか注意をしなければいけないことがあります。
- SEOは知識とノウハウが必要
- 内部対策と外部対策を知る
- 効果が出るまでに時間が掛かる
- 導入後は分析が必要
自分でSEOの導入をするにしても、業者にSEOの導入を依頼するときにも、特に上記の4つの点については、最低限、確認をしてください。
SEOは知識とノウハウが必要
SEOを導入するには、知識とノウハウが必要です。
自分でSEO対策を行うには、様々な書籍やセミナーに参加をして、知識を積み上げていかなければならず、また知識を積み上げたとしても、ノウハウを蓄積するには時間が掛かります。
そして、検索順位は一度上がったとしても、永遠に持続するということはありません。
Googleは年に3~4回程度、検索ロジックの見直しをして、検索ユーザーのために情報の精度を上げる試みをしています。
最新の情報を取り入れつつ、安定した検索順位をキープし続けるには、業者でも試行錯誤を繰り返しています。
そのため、業者に依頼するときであっても、これまでの実績をしっかりと確認することが重要になってくるのです。
内部対策と外部対策を知る
SEOを導入するにあたり、内部対策と外部対策があることは基本中の基本であることを覚えておきましょう。
記事の書き方や、ホームページを作るときのHTML構文、内部リンクなど多岐にわたって内部対策については知識が必要です。
外部対策はいかに信頼性のあるサイトから外部リンクをもらうかが重要となります。
外部対策は自分ではなかなか施すことができないのですが、業者によっては自作で外部リンクを張り巡らせるところがあります。
また、内部対策として、記事に検索順位を狙いたいキーワードを、詰め込むということをする業者も存在します。
自作の外部リンクやキーワードの詰め込みは、すでにGoogleで価値のないものと判断されており、SEO対策としてはブラックな手法と言わざるを得ません。
一部のサイトではそういった手法で上位表示されているところもありますが、今後長い目で見ればいずれは淘汰されていくでしょう。
効果が出るまでに時間が掛かる
SEO対策は導入しても、グルメサイトのようにすぐに効果が現れることはなく、また、必ず成功するとも言い切れないのが実情です。
そして、いずれ上位表示されたとしても、3~6か月の時間を要することを覚えておいてください。
すぐに効果が現れることは期待せず、地道に対策を継続することが大切です。
導入後は分析が必要
SEOを導入した後は、ホームページの制作と同様に放置してしまうと効果がありません。
常に動向をチェックし、目的のキーワードで上位表示されなければ、なぜ上がらないのかを分析して、必要に応じて追加修正を行うといったメンテナンス作業が必要となります。
例えば、現在のコンテンツにはユーザーにとって有益な情報が足りないと判断できれば、キーワードに対するニーズを分析し、盛り込むといった作業を行うことで、上位表示されるように対策をするわけです。
まとめ
SEOの導入をしたからと言って、必ずGoogleやYahoo!の検索結果で上位表示されるということはありません。
常にノウハウをブラッシュアップし、導入後に分析をしながら効果を測定していく必要があります。
しかし、SEOで上位表示ができるようになれば、ホームページを見てもらえる確率が高くなり、集客へとつないでいくことができます。
SEOを業者に依頼するときも、しっかりとノウハウを持った、実績があるところを選ぶようにしましょう。