競合他社のポジションを把握することで、まだ誰もいない立ち位置を見つけたり、自社の強みを見つけたりなど、とても役立つツールです。
効果的なポジションを行うために、ポジションマップの作り方を把握しておきましょう。
ポジショニングを行う手順
いざ、ポジショニングを行うにしても、初めてポジショニングを行う人にとっては、何から始めて良いかわからないものでしょう。また、しっかりとした手順を知っておかなければ、有効な立ち位置をなかなか決められないものです。
ポジショニングの手順を簡潔にまとめていきますので、参考にしてください。
ポジショニングマップの作成方法
ポジショニングを行うときに良く使われるのが、ポジショニングマップというものです。
基準を持たずにポジショニングをしようとしても、何を持って他の飲食店と違うのかを決めることは難しいです。
そこで、最初にポジショニングマップの作成に挑戦してください。ポジショニングマップ作製の基本となる手順を紹介しますので、順番通りに行っていきましょう。
KBFを抽出する
KBFはKey Buying Factorのイニシャルの頭文字で、購買決定要因のことを指しています。「商品を買うときに顧客が大事にしていることは何か」と考えるとわかりやすいでしょう。
自社の特徴を考えるときに、顧客が重要だと思っていないことを打ち出しても全く反応が取れません。
例えば、ラーメン屋さんでコーヒー無料などのサービスを行ったとして、顧客が魅力的だと思うでしょうか。
自社の特徴を考えるときはあくまでも、顧客が飲食店を選ぶときに気にしていることを前提に、ポジショニングを考える必要があります。
競合店と比較する
ポジショニングは差別化が目的ですから、自社のことばかり考えていても意味がありません。
競合となる飲食店の立ち位置を把握したからこそ、初めて自社の立ち位置をどこにすべきかが決まります。ポジショニングマップの作成のために、競合についてのリサーチが必要になります。
ポジショニング軸を決める
ポジショニングマップを作るためには、違いを把握するための軸を決めなければなりません。
例えば、ボリュームやメニューの多さなど、KBFを意識した軸を考えるようにしてください。軸は1つだけではなく、複数軸でポジショニングマップを作ることをおすすめします。
あまり多すぎてもいけませんが、少ないと差別化するのが難しくなります。最初は2つの軸を設定して、競合店のポジションの把握をしてみると良いでしょう。2つの軸を設定してから必要に応じて軸を増やすことで、有効な戦略を立てられるようになります。
飲食店のポジショニングの立て方
ポジショニングマップを作成するとことで、競合店のいない場所が見つかります。
もちろん、マップの空白に飛び込んで行けば良いわけではなく、自社の商品やサービスで対応できるのかどうかや、雇用しているスタッフがニーズに応えられるかなどを考慮しなければなりません。
不明確なぼんやりとしたイメージで立ち位置を決めると、戦略を立てたときに顧客には自社の強みが響きません。できるだけ具体的なイメージを持ちましょう。
ポジショニング軸を決める基準ポイント
ポジショニングを立てるときに重要になることが、ポジショニングマップの軸をどうやって決めるかです。
いくつかの具体例を紹介しますので、効果的な軸の決め方がわからない人は、参考にしながら軸を決めてみましょう。
商品やサービスの価値でポジショニングする
このメニューなら他店には負けないというものや、他店にはないサービスがあるなど、顧客にアピールできるものがある場合は、自社の強みを軸にポジショニングを考えることができます。自社の人気商品や、評判の良いサービスなど売り上げやアンケートなどで調べてみると良いでしょう。
消費者の購買要因でポジショニングする
購買要因は絶対に無視してはいけません。人によって異なる要因を持っているので、自分が大事にしている要素ばかりに気を取られないようにしてください。
どのような購買要因があるかどうかは、考えただけでわかるとは限りません。アンケートを行うなど、積極的に調査をすると良いでしょう。
消費者のメリットからポジショニングする
それぞれの消費者が大事にしている購買要因の他に、消費者に対してメリットを提案するという視点も持ちましょう。
普段はあまり気にしていない人でも、「健康にいい」「安心できる」などのメリットを提示されると、自然とメリットのある商品を選ぶものです。
価格と品質からポジショニングする
わかりやすい軸の設定として挙げられるのが、価格と品質による軸の設定です。
価格の割に品質は悪くないというポジションや、徹底的に品質にこだわるが価格も高いなど様々な立ち位置が考えられます。
また、品質と価格に関しては、ほとんどの人が気に掛ける要素でもありますので、無視することができない軸でしょう。
ただし、お店の雰囲気にそぐわない価格設定など、ブランドイメージに合わないケースもあるので、不自然な高級路線への変更などは避けてください。
まとめ
ポジションを決めるためには、消費者が何を気にしながら商品を選んでいるのかを把握する必要があります。
また、軸を複数設定した方が、より効果的にポジションを決めることができるので、様々な視点から他社との差別化を考えていきましょう。
ただし、極端な路線の変更は逆効果になることもあるので注意してください。