多種多様な飲食店がひしめき合っているところに、何の戦略も持たずに参入しても、顧客から選んでもらうことはできません。
勝負を懸ける市場において、自店を選んでもらうためには、商品やサービスの強みを活かせる最適な顧客層を絞り込んで選定した上で、競合店よりも優位に立てる立ち位置からアプローチしていくことが重要です。
今回は、ターゲットとする市場に対して、自店の立ち位置を明確にするポジショニングについて説明していきます。
ポジショニングとは

ポジショニングとは、市場における自社の立ち位置を決める作業のことです。
もっと具体的な言い方をすれば、他店とは全く違うのだということを顧客に認識してもらうこと言えるでしょう。
どこの飲食店でも同じだと思われてしまうと、結局は安い方がよいことになってしまい、単純な価格競争になりがちです。
資本力があれば価格競争に持ち込むことも戦略のひとつですが、中小企業が大企業に価格競争を挑むことは最善の策とは言えません。
やはり、しっかりとポジショニングを行って、他社とは違うことをアピールすることが必要です。
STP分析の手順
ポジショニングは、STP分析(S・セグメンテーション、T・ターゲティング、P・ポジショニング)の最後に行います。
セグメンテーションで顧客ニーズを基に市場を細分化し、ターゲティングは細分化を行った中で、さらに顧客を絞り込む作業となります。
そして、この2つの作業を行ってから、どうやって顧客へのアプローチをしていくのかを決定するのがポジショニングです。
つまり、ポジショニングだけを行っても効果的な集客をすることはできませんので、まずはしっかりとターゲット層を絞り込めるように、セグメンテーションとターゲティングを行いましょう。
ターゲティングを基に立ち位置を決めること
ポジショニングは立ち位置を決めることですが、立ち位置と言われてもピンと来ない人もいるのではないでしょうか。
簡単に言うと、ターゲット層にすぐに自店のことを思い浮かべてもらえるようにするということです。
例えば、ラーメンが食べたいと思ったときに、ぱっと自分のお店が頭に浮かんでもらえればいいわけですが、実際に競合となるラーメン店は数多くあるでしょう。
そこで、味噌ラーメンならとか、激辛ラーメンなら、という風に少し条件を狭めた状態だったら、すぐに自店が思い浮かぶとなるようにするのがポジショニングなのです。
少し条件が狭められていることがポジショニングを成功させるポイントで、この条件の部分の絞り込みをセグメンテーションとターゲティングで行います。
つまり、ラーメン店としての市場(顧客)を考えたとき、年齢や性別、ライフスタイルなどで市場を細分化し、その中から適切なターゲットとなる顧客層を決定することができれば、どのようなポジションを取るべきかも決めることができるわけです。
ポジショニングすることの意義
効率的な集客を行う上で、ポジショニングの設定は欠かせません。
さらにもっとポジショニングを理解するために、また有効なポジショニングをするためには、ポジショニングの意義を正確に把握しておく必要があります。
主に2つの意義があるので、しっかりと確認しておきましょう。
競合との差別化を図るため
スーパーの陳列棚をイメージしたらわかるように、現代では非常に多くの商品が溢れています。
カップラーメンひとつ例に取ってみても、商品が多すぎて、ぱっと見て選ぶことができないくらいの種類が並べられています。
つまり、顧客は選択肢が多すぎると、顧客はどうやって選んでいいか迷ってしまい、場合によっては購入をやめてしまう可能性もあります。
だからこそ、自店の立ち位置を明確にして、ターゲット層に対して競合店とは違うことをアピールする、いわゆる「差別化」ができれば、顧客が自店を選びやすくなるようにするわけです。
今後の経営戦略の立て方と継続方法を見出すため
ポジショニングでターゲット層に対する自店の立ち位置が決まったら、自店の商品やサービスを顧客に認知してもらうために必要となるマーケティング戦略を決めることができます。
例えば、競合店にはないメニューを開発したり、ターゲット層に合わせた集客ツールを利用したりするなど、より効果的に集客を行っていくことが可能となるわけです。
そして、いつまでも顧客から選ばれ続ける飲食店となるためには、変化し続ける顧客ニーズに合わせていくことも重要です。そのためには、常に自店の立ち位置と向き合い、適切なポジショニングが必要になるでしょう。
まとめ
数多く存在する飲食店の中で、どれだけ自信のあるメニューを取り揃えていても、顧客の脳裏にぱっと思いつく飲食店でなければ来店してくれません。
また、その飲食店の多さから、顧客目線で考えたとき、どの店を選ぶのか迷っている状態とも言えます。
そんな中で顧客に選ばれる飲食店となるためも、ポジショニングで他社との差別化をしっかりと図りましょう。